Covid-19とアート

2022年01月07日

Notes 02:

Covid19とアート

コロナ禍は我々に苦難だけでなく、新たな気づきを与えた。ロックダウンの間、空気や水が澄み渡り、野生動物の環境は大いに改善した。この画期的な激変は自然と人間の関係を再認識する機会をもたらした。
感染対策をめぐってグローバリズムとナショナリズムの対峙が深まっている。自由主義と全体主義、どちらがコロナ禍に有効なのか論争も起こっている。この全世界的な緊張関係は我々に政治システムを再認識する機会をもたらした。
人と人とが直接会う機会が極端に減り、代わりにオンラインでの会話やリモートワークが一気に普及した。働き方が多様化する一方、コロナ禍が勝者と敗者の振るい分けをより一層進めている。ワクチン接種の賛否をめぐって市民間の軋轢が起きている。この深刻な格差や分断の拡大は暮らしや社会のあり方を再認識する機会をもたらした。
アートは既存のシステムや常識的な価値観に揺さぶりをかけ、ひとに新たな気づきをもたらす。この視点に立つと、コロナウィルスはアートに似ている。多数の犠牲者を知りつつもそう思ってしまう。我々は新たな光でコロナ後の世界を見ることになるに違いない。

"光" 画仙紙に墨、金 34x34cm